過去のいじめで得たもの

貧乏な家で生まれ育った私は、お風呂さえ入ってはいても服を着替える習慣がありませんでした。
なので、体の臭いがなくても服から嫌な臭いが出ていたと思います。
そして更に、私はお風呂や歯磨きを面倒な事だと思っており、中学生になっても1週間お風呂に入らない、歯磨きをしないと言うのは当たり前の事でした。
「汚れていなければ良い」「臭くなければ良い」とずっとそう思ってきたのです。

しかし、ある日からクラスの子たちが私を避けるようになりました。当時仲の良かった子にまで嫌な顔をされるように。
たまに話しかけてきたと思えば「自分の臭いって自分じゃわからないよね?」と、その当時は理解できなかった言葉をかけられました。その言葉の意味、今ならすぐに理解できます。
あの頃の私は相当臭かったのでしょう。クラスの男子は私に暴言を吐くまでになりました。
その男子の所持品や机に触れそうになると「汚い触るな」と、冗談でもなんでもなく本気で嫌がっていたのです。なんて酷い事を言うんだろう、とそれでも私はまだ自分が臭かった事に気付けませんでした。

自分の臭いに気付き始めたのはその男子からのいじめがエスカレートしてからの事でした。
ちょっと目が合っただけなのにわざわざ暴言を吐いてくるその男子が嫌で、怖くて、学校へ行けなくなりました。そしてそのままひきこもりへとなってしまい、その時に初めて自分の臭いというものを認識しました。

ずっと着続けていた服を脱ぎ、お風呂へ入った後、また同じ服を着ようとした時に嫌な臭いが鼻につきました。それは明らかにさっきまで着ていた服から出ている臭いです。
それ以外にも、しばらく髪を洗わなかった時の事、自分の髪の臭いがフワッと漂ってきました。
濡れたまま放置された雑巾のような臭いにとても驚きました。
これではみんなが避けるのも無理はない、とそう思ったのです。

しかし、それから学校へは行けなかったものの、お風呂へ入る頻度が格段にアップしました。
今ではほぼ毎日お風呂へ入っています。服は外へ出る時や人と会うときには必ずまだ着ていない服を着ています。

これらの習慣ができたのも全てあのいじめのおかげだったと思います。
心の傷はまだ癒えていませんが、当たり前の事を当たり前にやれるようになった自分をほめてあげたいです。

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